インクルーシブ防災講習レポート

2025年5月9日から11日の3日間、福島県いわき市にあるワンダーファームさんのキャンプ場をお借りして、情熱クラブのシンポジウムを開催しました。

シンポジウムでは避難所設営訓練を想定したテントの中で『インクルーシブ防災』について講習させていただきました。

講習の様子

インクルーシブ防災とは…発災直後の避難、その後の生活において、障がい者や高齢者、医療的ケアの必要な方、妊婦、子ども、外国人等要支援者を含む、あらゆる人を『誰も取り残さない防災』を目指すという考え方です。
講習では、事前に情報を与えずに、講習の参加者にニーズ調査員の想定で、避難者がどのような困りごとがあるのか聞き取る体感をしてもらいました。

【設定】
・外国人夫婦と発達障がいの子どもと母親が同じ避難所で生活をしている
・外国人夫婦は、宗教的理由から、1日に複数回のお祈りをしたり、食事に制限がある
・奥さんは現在妊娠していてつわりがひどい
・子どもは自閉症スペクトラム障がい
・母親は夫がケガで入院していることもあり、気丈に努めているが不安が強い
・朝のお祈りで起こされてしまったことがきっかけで、子どもは外国人夫婦のお祈りが始まるとパニックを起こす

参加者は、そもそも外国人の方が話せる言葉が何なのか、コミュニケーションの取り方に迷い戸惑います。
今回はコミュニケーションのサポートとして、八王子市のコミュニケーション支援ボード(災害用)を使って対話を試みてもらいました。

コミュニケーション支援ボード

そして、お子さんがなぜ突然パニックになってしまったのか。
原因を知るためには、個々の障がいの特性を理解し、特性に応じた接し方をする必要があります。

そこで今回は、発達障がいについて少し深堀りしてお話ししました。

パニックになった子どもへの対応

発達障がいとは…脳機能の発達が関係する生まれつきの障がいになります。
発達障がいのタイプ、特性、強みなど一般的な特性を説明し、発達障がいの方が普段見えている風景や感じている環境を会場にある物を使って再現し擬似体験してもらいました。
そのうえで、避難所での発達障がいをもつ子どもたちが安全・安心を感じてもらうために、どのような対応、配慮ができるのかを考えてもらうきっかけとなったと思います。

インクルーシブ防災は、まだ誰も答えを出せていない発展中の課題です。 だからこそ、率先して目を向け取り組み、模索することに意味があります。

今回は主に避難所におけるインクルーシブ防災について考えてみましたが、発災直後の避難についても同じです。 避難が難しい状態にある方が、自分の力で避難がしやすくなるように日々、人と地域に愛をもって目を向け、コミュニケーションを取り信頼関係を形成することが大切になります。

インクルーシブの実現に向け、社会課題に興味をもって活動をしていきます。

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